先日、息子が小学校を卒業した。
6年間毎日楽しく通い、皆勤だった(実際には、インフルエンザの出席停止が数日あったけれど)。
ご存知の通り、3月は休校になり学校に行けなかった。
息子はその時間を何に使うのだろう、ははーん、ゲームだな、と思っていたけれど、実際にはゲームばかりではなかった。
友達と、小学校最後の大きなプロジェクトを立ち上げていた。
プロジェクトのコードネームは「UNP」。U先生を泣かせるプロジェクト。
休校になり少し経ったある日。
「クラス全員から担任の先生に感謝の動画と寄せ書きを贈りたい」と言い出した。仲の良い友達と二人で思いついたらしい。
動画を作れるか?と聞かれて、自分では作ったことがないので困った。でもここでできないというわけにはいかない。
できないのではない。やったことがないだけだ。やればできるはずだ。
すぐにMacでiMovieを立ち上げてちょっとやってみたらとても簡単で、その場で息子のMacにもセッティング。息子は適当に触りながら、どんどん使い方を覚えていった。
動画編集はともかく、大変なのは動画と寄せ書き集めだ。
クラス全員の分が集まらないことには格好がつかないので、一人でも欠けさせるわけにいかない。しかし、学校で集まることはできない。
まずは、このプロジェクトに賛同して動画を撮らせて貰えるかの意思確認、その後、撮影日時の調整。これがキモ。
もしも全員が賛同してくれなかったら企画変更だってありうる。
とにかく意思確認だけは早急にするようにと息子に口うるさく言った。
最初のうちは、息子とお友達でiPadを持ってクラスメイトの家を訪問して撮影したりと順調だったが、やっぱり最後の数人が集まらない。
クラス名簿を片手に息子に進捗確認したところ、連絡すらしていない子もいる上に、その子にいつどうやって連絡するなども「わかんない」という。
プロジェクトマネジメントを生業にしている私としては、思わず大きな声が出る。
だってプロジェクトマネジメントは段取りが8割なんだから。
私「あのさあ、このタイミングで意思確認もしてないってどういうこと?」
息子「だって電話したけど出ないんだもん」
私「いつした?何回した?」
息子「昨日の朝」
私「その1回だけ?」
息子「うん」
私「足りない。電話したうちに入らない。昨日の夜は?今日の朝は?昼は?今だってかけられるよね?」
息子「(チッ)わかったよ」
「やりたくない女子がいるらしいって〇〇さんが言ってた」と聞くと、ちゃんとプロジェクトの概要や目的を説明したのか?恥ずかしがっているだけなのか本当に拒否しているのかどっちなのか確認をしたのか?その子だけがいない動画が完成して先生に渡るかもしれないけれどそれについてはその子は構わないと言っているのか?など、またうるさい私。
(結局は恥ずかしかっただけのようで、ちゃんと笑顔で動画を撮ってくれたらしい)
ここまで振り返りながら書いてみたけど、本当にうるさいな、私。
途中、動画にチェックを入れてみたら、一人ひとりの動画に名前をキャプションしているのを発見した。
この名前について「万一、漢字が間違っていたらとても大変なことになる!」と言っても息子は「ママうるさい!大丈夫だから!」と。
しかしここでも「なるべくたくさんのクラスメイトにみんなの名前(の漢字)を確認してもらいなさい!!!人の名前は間違ったらダメ!!!」とやっぱりうるさい私。
息子に「ほんとうるさい!!!!」と怒られたけれど、私はもう黙っていられない。
だって見つけてしまったんだもん。クラス名簿の中に「ワタナベさん」を。
※クラス名簿は個人情報保護の目的で全てカタカナ表記なんです
私「あのさ、このワタナベさんのナベってこの字で合ってる?」
息子「”難しいナベ”って言ってたからこれで合ってるでしょ」
私「あのさあ、ワタナベのナベって58種類あるんだけど知ってた?渡る世間はナベばかり、っていうカードゲームになってるくらいなんだよ」
息子「え?でもこの字で合ってるってば!!!」
すかさず、ワタナベのナベ一覧ページを開く私。
私「はい、この中のどの字?」
息子「あー、これ。・・え、ちょっと待って、隣のやつかもしれない」
私「こっちとそっちどう違うの?」
息子「え?」
私「ここが、白と自とあるけどどっちなの?その下もいろんな形のナベがあるけど?」
息子「わからん」
私「本人に絶対確認しておいてね。サイトウさんとワタナベさんは死ぬほどいっぱい漢字があるから気をつけるんだよ」
こんな感じで、すったもんだで、なんとか全員分撮り終えて動画が完成。
せっかくなら先生が見てくれるところをみんな見たいけど、卒業式の日にそんな時間はあるんだろうか。
うん、次は、上映時間と環境の段取りが必要だ。
息子と、一緒にやってくれているKくんに、なんとかうまく先生へのメッセージ動画だということは伏せつつ、卒業式の日にプロジェクターで上映できるように先生と話してくるように伝えて、校庭開放へ送り出した。
先生との交渉の末、二人はなんとか、卒業式当日の上映時間を確保してきた。グッジョブ。
そして当日。
結論としては、時間があまりなく、途中までしか見られなかったようだけど、先生は目に涙を浮かべて喜んでくれたとのこと。
UNP、大成功だね!
今、このブログを書きながら改めて、小学生相手にうるさかったことを反省している。
完全に仕事モードだった。
息子は、プロジェクトはこうして進めていくのだということ、少しはわかってくれただろうか。
中学、高校、大学、と大小いろいろなプロジェクトを進めていくことになるだろうけど、その時に今回のことが少しでも活きたらいいなと思っている。
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